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2008年4月23日

●伝統技術の伝え方

昨日、インバウンド関連のあるセミナーに参加してきました。

そこには、通訳案内士、紙すき職人、いけばなの先生、役者、三味線弾き、起業家、海外向けCM制作者など様々なバックグラウンドの方が参加されており、かなりユニークな集まりでした。

セミナー終了後、参加者数名で2次回へ。

そこで、紙すき暦20年の職人の方に色々お話を伺う機会を頂きました。

とてもユニークな方で、先日までフランスに行っており、そこで紙すきを現地の方に教えていたそうです。

印象的だったのは、彼自身が自分を「役者」だと語っていました。

現地の方に講義をする際は、服装や髪形だけでなく、話し方や腕の組み方までこだわり、日本を代表する職人としての威厳を持ち、皆に接するとのことでした。

そうすると、現地の方も彼をマスター(師匠)と呼び、尊敬のまなざしで見てくれるそうです。

彼はまさに日本の伝統技術を伝える「役者」として自分を捉えているようで、それがミッションであるとおっしゃっていました。

ここまでサービス精神旺盛で、コミュニケーション能力の高い職人さんは少ないと思いますが、この方のような姿勢を持つことは非常に重要だと思います。

ただでさえ、日本の伝統産業の市場が縮小し、若い担い手が少なくなる中で、職人さんがこれまで通り、ものづくりにだけ専念するというだけでは先細り感が見えています。
職人さん自身が前に出てPRする、または、新しい技術や素材を用いた、商品開発をするといったような取り組みも必要なのではないでしょうか?

話は変わりますが、現在、私は新日本様式協議会のプロモーション委員をさせて頂いております。
その中でいかにして日本のものづくりを国内外に広めるかという議論をよくします。
あるとき、海外の展示会における、日本の伝統工芸品についての外国人視点での評価を伺いました。

多くの外国人は、「日本のものづくりに対してのこだわり、繊細さは評価する。ただ、これではヨーロッパでは売れない。なぜなら、生活の中でそれらがどのように使えるかがわからないから・・・」とのことでした。

職人視点では、「いいものを作れば売れる」というのが当然だと思いますが、市場から見ると、「生活の中でどう使えるか?生活の質をどのように向上してくれるのか?」といった部分が気になるところだと思います。

特に外国人のように日本の文化のバックグラウンドがないなかで、ものとそのものに対するこだわりだけを伝えられても、よくわからないというのが本音でしょう。

マーケティングでよく、「特長」と「(顧客に対しての)ベネフィット」という言葉を使いますが、まさに「ベネフィット」を訴える姿勢をもっと見直す必要があるのかもしれません。

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